株式会社幸工務店

アルミサッシから樹脂サッシへ。

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内付アルミサッシ
築40年の民家、平成9年に大改修しているものの、取り残された1階和室のハキダシ。
内付のアルミサッシ、単板ガラス。

冬の寒さが辛いとのことで、弊社にご相談がありました。

すでに数社へご相談されておられたようですが、納得のいく説明がなかったようです。

基本的に内窓(樹脂製の二重サッシ)を設置する場合、最低でも70mm程度の取付見込み(窓枠等の幅)が必要となります。
今回は、真壁和室で内付サッシで、その見込が不足しており、他社さんはアタッチメントによるペアガラス化をご提案されておられたようです。
おそらく、ペアガラス化しても寒さは防げません。
枠自体の熱伝導率が高すぎ(樹脂の1000倍!)、温度は高いところから低いところへ流れていく性質から、暖かい室温の屋外への放射が免れないのです。合わせて気密性の低さからくる冷気の侵入も考えると、枠ごと交換することがベターと判断しました。

ちなみに、アルミの熱伝導率は236W/mK、樹脂は0.17W/mKです。
参考までに、ガラスは1W/mK、木材は0.1W/mK、グラスウール断熱材0.5W/mK、空気0.02W/mK程度となっております。

サッシの基本性能を測る指標に熱貫流率U値がありますが、おそらくこの古いサッシ枠のU値は7.2W/㎡K程度。
ガラス部は6.0W/㎡K、合わせて概ね7W/㎡K程度でしょうか。
ここを改善しようというわけで、今回YKKの樹脂サッシAPW331へと交換したわけです。
YKK APW330

YKK APW331

YKK APW331

YKK APW331

このサッシ、枠・障子枠まですべて樹脂です。(一部スペーサーやレール部にはアルミ等が使用)
ちなみにこのサッシの性能は、Low-Eガラス仕様でU値2.33W/㎡Kとなっています。
この数字の意味するところは…

アルミサッシの面積をW1.7m✕H1.8=3.06㎡→3.0㎡、外気温6℃・室内を22℃と仮定します。
どれだけの熱が逃げていくかを計算すると、
①旧アルミサッシ
7.0×3.0×(22-6)=336ワット 24時間で 336×24=8キロワット/日の熱が逃げていく計算です。
②樹脂サッシ
2.33×3.0×(22-6)=112ワット 24時間で 112×24=2.7キロワット/日の熱が逃げていく計算です。

ちなみに、人間の基礎代謝量を熱量に換算すると、1.8キロワット/日だそうです。

 

※参考
電気料金を全国平均の25円/kwhで計算すると、
①で8×25×30日=¥6,000/月の暖房費が必要なのに対して、
②で2.7×25×30日=¥2,000/月程度の暖房費になり、4ヶ月/年暖房するとすれば、年間16,000円の節約になる計算です。

あくまで、計算式に則ったもので、暖房方式の違いや人間の発熱量、太陽光の取得などにもより、ここまで単純理論とはならないとは思いますが、実際にこれだけの熱量が逃げていくということに驚かされます。

今回は、隣接する居間のハキダシ2箇所にも内窓を設置しました。

YKK エコ内窓「プラマードU」
プラマードU

設置した翌日から、「全然寒くない!快適だったよ!」との感想をいただけました。
ほんとうにうれしい、ありがたいお言葉です。

家の省エネ性能をあげるには、サッシの性能を上げてあげることはとても有効です。

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