株式会社幸工務店

夢の素材「セルロースナノファイバー」

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『原料は木材。
強度は鋼鉄の約5倍で、熱に強く、鉄鋼の1/5の軽さ、ガラスのように透明にもなる』

夢の様な素材。
これがセルロースナノファイバーの正体だそうです。
この研究をしている京都大学生存圏研究所の矢野浩之教授をはじめとする日本人研究者3名が、森林・木材研究のノーベル賞とも呼ばれる「マルクス・ヴァレンベリ賞」を受賞しました。(2015/9/28付)

また、炭素繊維(カーボンファイバー)の6分の1程度のコストで製造できるそうです。
※プラスチックに、セルロースナノファイバーを5%だけ配合すると、これだけで弾性率は3~4倍高まるそうです。
熱に対しても強く、線熱膨張率はガラスの50分の1で、石英ガラスと同等の低さ。
熱伝導率もおそらく低いのでは?と期待しています。

ただ課題も多いそうです。
プラスチックに混ぜると強度が増すということですが、大部分のプラスチック材料は油分でできています。
一方のセルロースは植物中では水と親和性が強い。つまり油と水の性質のものを混ぜても馴染んでくれないのだそうです。

しかし、矢野教授はこうもおっしゃっています。
「(材料・素材の)“作り手”の植物からすれば、完成度が最も高いのは樹木の状態なのです。そこからブレークダウンした構造体であるセルロースナノファイバーは、人間にとっては使い勝手がよいけれど、“作り手”からすればあくまで1つのパーツに過ぎません。だから将来的には、木材というより高次な構造体から、ハイパフォーマンスな材料を創り出せたらなとも思っているのです」

輸入木材や、ビニール・プラスチック等の石油関連製品に頼りがちな日本の住宅建築業界。
この夢の素材が現場に現れることを願っています。

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※写真は日本製紙グループWEBサイトより
http://www.nipponpapergroup.com/research/organize/cnf/

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